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第21話 これはデートじゃない。たぶん

last update publish date: 2026-09-22 15:28:08

第21話 これはデートじゃない。たぶん

 待ち合わせ場所に現れた陽菜を見て、俺は一瞬だけ言葉を失った。

 普段の陽菜は、大学なら動きやすそうな服が多い。陸上部の練習がある日はジャージ姿も珍しくないし、髪もだいたい高い位置でまとめている。

 でも今日は違った。

 白い薄手のブラウスに、淡い色のロングスカート。足元はスニーカーだから完全に着飾っているわけではないが、それでも大学で見る姿とは明らかに雰囲気が違う。髪も下ろしていて、肩のあたりで自然に揺れていた。

 何より。

 普通に可愛い。

 かなり。

「おはよう、悠真」

「……おはよう」

「何、その間」

「別に」

「今、絶対何か思ったでしょ」

「朝から面倒だな」

「まだ何もしてないんだけど」

 陽菜は俺の前まで来ると、少しだけ自分の服を見下ろした。

「変?」

「いや」

「似合ってない?」

「そうじゃない」

「じゃあ何」

 ここで普通なら、「似合ってる」と言えばいい。

 分かっている。

 だが、それができるなら俺はもっと楽に生きている。

「大学と違うなって」

「それだけ?」

「それだけじゃないけど」

「じゃあ続き」

「嫌だ」

「何で!」

 
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